スタコラ:2021-09-13

スタトレ、ガガ、パラリンピック

2021-09-13
柿本

オリンピック・パラリンピックが終わりました。
いろいろありましたが、選手の皆さん、本当にお疲れさまでした。どの試合も手に汗握る、印象的なものばかりでした。
さて、オリンピックは置いといて。パラリンピックでは、いわゆる健常者の記録をも上回る「ハイパー義足」や高速で進む「競技用車いす」が、私には痛快でした。
それらデバイスが、まるで未来を予感させる機器だと思ったからです。

私は、サイエンスフィクション「スタートレック」が大好きです。
これはアメリカのテレビドラマで、耳のとがった論理的なスポックと、血の気の多いカーク艦長が出てくる初代スタートレックではなく、2番目の「新スタートレック」(1987~)が好きなのです。
新スタトレ(省略しました)には、頭がつるぴかのピカード艦長(つるぴかだからピカード…ではないと思います)と、人間になりたいアンドロイド、データ少佐が出てくるシリーズです。
このなかに、ラ・フォージという、盲目の優秀な技術者が登場します。
作品の中でラ・フォージは、ヴァイザーという機械を装着しています。
ヴァイザーは、人間が見ることのできる可視光線のほかにも多くの視覚情報を認識できるようになってます。盲目の彼は普通の人よりも機械のチカラで見えている!という設定なのです。なんだか似ていませんか?

そんなラ・フォージが最初の回で、宇宙船エンタープライズに乗り込むため、乗船健康チェックを受けます。
医師がヴァイザーを外して尋ねます。「外すと見えてないの?」
ラ・フォージが答えます。「Yes, born this way」このように生まれています、とでも訳せましょうか。
技術が障害を十分に補う未来では、障害の部位について質問したり答えたりするのに躊躇などしません。それは取るに足らないことだからです。

Born this wayは、スタトレが放映されてしばらくして世界的に知られる言葉になります。
アメリカの人気歌手、レディ・ガガが、2011年に、このタイトル名の曲をリリースしたのです。邦題は「この道に生まれて」。
同性愛や宗教など、当時、あまり公で語られなかったテーマを取り上げつつ表現の自由を高らかに歌ったこの曲は大ヒットしました。

PADD:新スタートレックの1場面 時を経て、いまようやく、物語の夢の機械であったヴァイザーに性質の似た、「普通の人を超える」ハイパー義足などが登場したことに、私はテクノロジーの可能性を感じずにはいられません。
大好きな SF や音楽が、少しだけ早く未来を先取りしていることに、愉快さを感じています。
iPhone や iPad によく似た機器が初代スタトレに出ていること、気づいていましたか?
それもそのはず。IT の人たちは、みんなスタトレが大好きで、スタートレックの世界こそが理想で、みんなあれを目指していたのです!

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