スタコラ:2019-03-04

大先輩の著書を読んで

2019-03-04
大隈昭子

 女性社会保険労務士の大先輩、八谷武子先生が上梓された「平生業成(へいせいごうじょう)」をいただき、読み終えました。
 この本から伝わる八谷先生の生き方に学び、日々の業務に取り組むとともに、“華の会”の継続発展への思いを新たにしました。

 私が、八谷先生に直接会ってお話をしたのは、たった一度。女性社会保険労務士の会“華の会”の世話役を引き受けて、「“華の会”の誕生と歴史」をテーマに取り上げたときです。
 当時、私は、開業3年目。社労士としては、まだ、“よちよち歩き”ともいえない時でした。
 この日の例会では、“華の会”の創世期から参加されている木原先生にお話ししていただき、初めて、“華の会”という勉強会を立ち上げていただいた八谷先生のことをお聞きしました。

 八谷先生は、「労働基準監督官や婦人少年室時代を経て、退職後に、八谷社会保険労務士事務所を開業され、働く女性の地位や、職場環境が向上するよう、邁進してこられた」方ですが、その中で、「結婚、子育て、異動、転勤などなどと、壁も谷もいくつもあった。」と述べられています。
 その時、熊本の佛厳寺(ぶつごんじ)のご住職に出会い「よく働きなさい、自ずと道は開かれる」のアドバイスを受け、その言葉を胸に、一歩一歩人生を踏みしめてこられた姿が、伝わってきます。

 この本の帯には「コツコツとただひたすらに……。地道で生真面目な職業婦人の先駆けであった著者の自伝。」と紹介されています。

 八谷先生は、「退職後に私がしたあれこれの中で、最も良くしたなあと誇りにしたいのは、女性社会保険労務士の勉強会“華の会”を立ち上げたことが、何よりの満足であった。そして、“華の会”が今なお健在であることを嬉しいことと思った。」と記されています。
 私はいま、「“華の会”に参加すると、業務を進めるうえでの疑問や悩みをなんでも相談でき、力が湧いてくるよ」と、周りの女性社労士に勧めています。
 先生の生き方とこの本の表題「平生業成」がぴったりと一致していて、私自身の生き方もこうありたいものだとの思いが湧いてきました。

スタコラ一覧