2012-07-23
新開
相手の気持ちを理解するのは難しいことである。
理解するためには、相手の心を読む超能力を鍛えればいいのだろうか。
それは、かなり難しそうである。
ということは、相手に聞いてみるのがいいのではないか。
キャリアカウンセラーとして相談を受けた時のことである。
「仕事が大変で体調も悪いので、このまま続けることは難しいかもしれない」という相談。
仕事内容の説明や声の調子・態度から、本当に退職したいのだなと思い、「いつ頃退職できればいいと考えているか」を尋ねてみた。
すぐにでも、という言葉が返ってくるだろうという予測で答えを待つと、退職希望日は一か月以上先だった。
心の中で、「えっ、そんなに先で大丈夫なの」と思い、退職の段取りを一緒に考えることになるかもしれないという、まったく的外れな展開を考えていた自分にも驚いてしまった。
そこで気持ちを切り替え、辞めたい気持ちと辞めたくない気持ちはどのくらいの割合なのか、質問してみた。
すると、「辞めたい気持ちが55%で辞めたくない気持ちが45%」と答えてくれた。
最初に聞いた話から、80%~90%は辞めたい方に傾いているように聞こえたのだが…。
状況説明から予測できることは、~かもしれない
という言葉で置いておく。
退職したいのかもしれない
ということである。
人間関係で考えると、○○さんは、怒っているに決まっている
と思うより、○○さんは、怒っているかもしれない
と考える方が現実的であるということである。
決まっていることは聞きにくいが、かもしれないことは聞きやすいのではないだろうか。
相手の気持ちを理解するには、超能力より質問力を鍛えた方がいいのではないだろうか。
「○○さん、この間のこと怒ってるんじゃないかと思って」と尋ねる力を持つことである。