スタコラ:2006-05-18

季節の移ろいは自然科学の分野であろうが

2006-05-18
大隈

季節の移ろいは自然科学の分野であろうが、「新会社法施行」による変化は社会科学の分野である。
今、相次ぐ診療報酬の引き下げ、介護報酬の引き下げによって、病院・施設の経営環境は大きく変化している。
この変化もまた、社会科学の分野としてとらえることができる。
この変化は、これまでの延長線上の変化と捉えるだけでは対応できない経営環境の急激な変化であり、管理なき病院・施設は淘汰される時代になっているように思える。

世の中は、金利政策などによって、株価の変化など多少景気が回復基調にあると報道され、デフレからの脱却が言われている。
しかし、医療・介護の分野においては、同じ医療サービスを提供しても収入は一方的に減少するデフレが進行している。
さらに、診療報酬体系を変更することによって入院在院日数抑制、入院診療・外来診療回数抑制、医療費負担割合の増大による受診抑制などを引き起こすデフレ政策がさらに進行している。

病院・施設における経営方針は、この異常なデフレ政策への対応を基本として構築する必要があるように思える。
この認識に立った変化対応策を組織の隅々にまで行き渡らせることができるかどうかが明暗を分けるのではないかと思う。
そのためには、まず、トップが「従来の認識では対応できない」と認識にたった変化が求められている。
この医療の分野におけるデフル政策の根拠には、急激に進行する少子・高齢化の社会変化が挙げられている。

少子・高齢化社会の急激な進行は、自然科学の分野か、社会科学の分野か、今日も悩みが尽きない。

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