2013-06-17
高尾
ウィキペディアには、「パワースポット( power spot )とは地球に点在する特別な場
のこと。和製英語である」とあります。
私のパワースポットは、ある山のふもと。車で 30 分もすればそこはある。
数年前になぜだかそこにいた。
そこに行くまでどうやって行ったか憶えていない。
なぜか分からないけど、二回目以降はそこにアウトドアチェアとCVSでサンドイッチとドリンクを持って数時間いたりする。というか数時間いる。
たまに山登りの人が過ぎていくが構わない。
なぜか落ちつく。
はじめて行った時は、気分がよくない時だった。
妙に落ち込んでて尾崎(尾崎豊)が歌う暗い歌詞を口ずさんでいた。
盗んだバイクで走りだす
行く先もわからぬまま
暗い夜の帳のなかへ~♪尾崎豊:15の夜
何か体の中から噴き出るものがあった。
二回目はペンと紙数枚を手にしていた。
さっきまで外界で起こっていたことに対する数々の思いは、時間の経過とともにかき消されて、携帯も車に置いてきたのでうるさい着信音もない。
聞こえてくるのは、はるか下の駐車場での車の音と、風に吹かれて囁くように聞こえる木々の音。
情報が入ってこなくなって外界の事が気にならなくなると、頭に浮かんだ様々な言葉を紙に記していく。
自分自身の人生のこと、嫁さん・娘たちの事、親父・お袋のこと、仕事のこと、スポーツのこと、昔のことetc。
趣味でランニングをしているが、その時に感じるランナーズハイに似ている。溢れ出る言葉の数々をとにかく書く。
書くことで自分の思いが顕在化され、何かの叫びに似た言葉が積み重なっていく。
数枚の紙にひとしきり書きまくると、段々落ち着いてくる。
ふと我に返って紙を見ると、恥ずかしい気分と達成感が入り混じっている。
それからアウトドアチェアに座りちょっとした疲労感を感じ、呼吸を整えるように遠くの空を見上げる。
この流れはルーティンワークではないが、いつも似ている。
そして数時間たったところで下りる。
気持ちはその場所に置いていく。
そんな事を繰り返しに二、三か月に一回ぐらいふらっと行く。
拠り所、なのかはわからないが、気を落ちつけに行く。
元ソフトバンクホークスの小久保選手の言葉ではないが「内観」しているのか。
自分を見つめる。
なかなかこのご時世、出来ない。
まずは情報をシャットダウンしてしまってからでないと内観なんて出来ない。
自分を見つめることで、主体的になれる。
自分の人生がどんなものであったか。
これからどうしていきたいか。
考える。
考えることに喜びを感じる。
そんな時間をもっと作りたい。
さて、今度の週末、久々に気が向いたら行ってみるか。