スタコラ:2013-11-18

アンパンマンとやなせたかしさん

2013-11-18
大隈昭子

やなせたかし 子どもから大人まで、世代を超えて多くの人達に愛され続けているアンパンマン。
その生みの親である絵本作家のやなせたかしさんが、10月13日に亡くなりました。

やなせさんが、生前テレビや新聞等で「アンパンマンの誕生秘話」を紹介されている場面を何度も観る機会があった。
「戦争を体験して本当の正義とは何かと考えるようになりました。
 スーパーマンのようなヒーローはウソくさい。
 そう感じていたなかで出来たのがアンパンマンです」
やなせさんは、1941年召集され、敗戦を中国で迎えます。
軍隊での過酷な制裁。厳しい訓練。 戦争のむなしさを味わいますが、一番つらかったのは、「飢え」だったといいます。
「本当の正義は、人を殺すことじゃない。
 ミサイルを撃ち込むことでもない。
 そこにひもじい人がいれば、それを助けることだ。
 本当の正義を伝えたいという思いで書いてきました」

自分の顔を空腹の人に与える心優しいユニークなヒーロー、アンパンマンが、登場するとテレビの前の子どもたちは、大歓声をあげる。
私の孫もアンパンマンが大好きで、まだハイハイも出来ないあかちゃんの頃からアンパンマン人形で遊んでいた。 初めて言葉を発したのも「あ・ん・ぱ・ん・ま・ん」だったように思います。
アンパンマンが絵本に登場したのは、1973年。 当初は、出版社には良い顔をされなかったものの、子どもたちには大歓迎されたと話すやなせさんの笑顔が忘れられません。

やなせたかしさんは、90歳をすぎた時、もう引退しようと思ったそうですが、3・11の東日本大震災が起こり、引退するのはやめて、「震災で困った人たちの力になろう」と晩年まで精力的に活躍されました。
震災で残った陸前高田の奇跡の一本松のことを歌にしたり、「手のひらを太陽に」や「それいけアンパンマン」のテーマソングを歌うなど いろんなイベント(被災地)に出かけて、震災で困った人たちに力を与え、全国、全世界の人達に大きな勇気と元気を送り続けた方だったと思います。
アンパンマン まさにアンパンマンそのもの、愛され続けたヒーローでした。

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