2023-10-02
白水
テーブルの上に、水が入ったコップがあります。
うっかり、手があたって、水がこぼれたとします。
水がこぼれた、という結果は、その直前に、手があたったことが原因です。
原因→結果という順番でおこったわけです。
だから、わたしたちは、どんなことでも
「結果の直前におこったことが原因だ」と考えたくなります。
コップの水がこぼれる、のような物質などは、直前におこったことが、原因と考えて間違いではありません。
しかし、「人」については、実は
「行動の直後におこることが原因」
と考えたほうが、とてもわかりやすくなります。
例えば、ここに自動販売機があります。
あなたは、とても喉がかわいています。
中で冷たいコーラが冷えています。
自動販売機に、お金を入れて、あなたはコーラを買い、ごくごくと飲みました。
さて、なぜあなたはコーラを買ったのでしょうか?
ありがちなのは、「喉がかわいていたから」「コーラが美味しそうだったから」などの、答えがよくかえってきます。
でも、行動科学の答えは
「お金を入れると、コーラがでてくるから」
なんです。
なんだか、わかったような、わからないような答えですよね。
もし、喉がかわいていたから、が原因だとして、仮に自販機に「故障中」と張り紙が貼ってあったらどうでしょうか?
きっと、どれだけ喉がかわいていても、あなたは、お金を入れなかったはずです。
お金を入れるという、行動の直後に、コーラがでてくることがないからです。
また、仮に、自販機が古くて、ディスプレイのコーラは、美味しそうに見えなかったとします。
しかし、横のゴミ箱には、誰かの空き缶が、捨ててあり、あきらかに問題なく作動しているようです。
きっと、あなたは何のためらいもなく、自販機にお金を入れることでしょう。
なぜなら、お金を入れるという、行動の直後にコーラがでてくると予想できるからです。
このような説明を聞くと、自販機にお金を入れるという行動の原因は
「お金を入れると、コーラがでてくるから」
ということが、わかってきます。
もう少し、くわしくいうと、「行動の直後におこることを、期待しているから」なんです。
わたしたちは、どうしても「喉がかわいていたから」「コーラが美味しそうだったから」のように、原因→結果と考えがちです。
しかし、こと「人」に関しては、行動に直後におこる期待が原因と考えたほうが、わかりやすくなります。
行動の直後に、その人が手にしたものが、その人が行動した原因なんですよ。
さて、あなたのまわりの人は、行動の直後に何を手に入れているでしょうか?
それがわかると、なぜ、その人が、そんな行動をしたのか、原因がわかりますよ。
ぜひ、分析してみてください。
もしかすると、その人に別の一面がみえるかもしれませんね。