スタコラ:2007-09-24

自民党総裁選に思う

2007-09-24
大隈

自民党の新しい総裁に福田康夫氏が選出された。この結果は大方(?)いや、ほとんどのの予想通りの結果である。
安倍晋三首相が12日に突然「首相の職を辞するべきと決意した」と表明してから11日。一政党の総裁選挙にもかかわらず、マスコミが連日報道してきた。
しかし、この総裁選挙は、所詮、自民党というコップのなかの出来事でしかなかった。
参議院選挙の惨敗後も政権を担当するとした安倍首相にたいして、それを容認してきたのは一体誰なのか。いわずとも、それは今回、総裁選挙に立候補した福田氏と麻生氏をはじめ、自民党そのものである。

参議院選挙で示された国民の意思は、自民党政治に対する国民の審判であった。しかし、今回の自民党総裁選挙では、その国民の意思に対する反省がまったく聞くことがなかった。
そればかりか、辞意を表明した安倍首相が入院するにいたっても、首相の臨時代理もおかなかったために国会は空転し、その費用だけで約50億円とも言われている。
このことに対しても、福田、麻生の両氏は、頬かむりである。
「そんなの関係ない。そんなの関係ない。」テレビに連日登場するお笑い芸人のギャグが頭をよぎった。

連日報道される「地方遊説」なるものの空疎な映像と空虚な響きばかりが耳に残ったのは私だけだろうか。
今回、自民党の総裁に選出された福田康夫氏が国政の中心である首相に選出される。参議院選挙で下された国民の審判に対して何がどう変わるのか?分からないままのような気がする。

前回の「スタコラ」で新開氏は、P・F・ドラッガーのプロフェッショナルの条件から「3つの領域のすべてにおいて成果を上げなければ組織は腐り、やがて死ぬ」と引用されている。
今回の自民党の総裁選挙は、どうだったのか?
第一の「直接の成果」はなんだったのか?
第二の「価値への取り組み」はどうだったのか?
「人材の育成」はどうだったのか?と見てみると結果が見えるような気がしている。

「組織は腐り、やがて死ぬ」なかなか重い指摘である。

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