2023-02-06
林田
最近グルメ番組が多いように感じる。そう言いながらもなんだかんだついつい見てしまう私である。
しかしその番組のレポーターやスタジオの出演者が食べた感想を言う場面で、いつも違和感を覚えることがある。
それは、嬉しそうに言う『やわらか~い』というコメントである。
柔らかい=美味しいものという印象をつけてしまいそうだ。
料理好きの私の母は、味付けはもちろん、食感や歯ごたえにもこだわった家庭料理を作っていたが、65 歳を過ぎた頃には、作るものも食べるものも歯応えのない総菜ばかりになっていた。
お得意のレンコン、ごぼうのシャキシャキしたきんぴらは、食卓には並ばなくなっていた。
おやつもリンゴが好きだったのに、いつしかロールケーキや菓子パンが好物に変わっていた。
今考えれば、オーラルフレイルの初期段階だった。
オーラルフレイルとは歯や口の機能が衰えた状態のこと。舌を含めた口の周囲の筋肉が衰え、話がしにくい・飲み込みにくい・むせる・こぼすなどの兆候が表れる。
健康な状態と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」の段階がある。
オーラルフレイルの症状は「フレイル(虚弱)」の初期に現れ、老化の初期のサインとも言われている。
噛みにくい→やわらかいものを食べる→かむ能力の低下→嚙みにくい→柔らかいものの負の連鎖に入っていた。
テレビで、『やわらか~い!』というグルメレポーターの感想を聞いて、おいしそう、食べてみたいと思われる方は、要注意かも。
オーラルフレイルのサインは、滑舌低下、食べこぼし、かめない食品が増える、ムセる、口の渇きが気になる、などの症状。
対策としてうがいやお口の体操もある。
オーラルフレイルのサインを見逃すな!