スタコラ:2017-02-13

音楽と会社の共通点

2017-02-13
柿本

古代、人類は動物の骨を使って楽器を作っていた。
共同体で生活していた狩猟民族は、大きなマンモスが獲れたらみんなでお祝いしたに違いない(想像)。 誰かが笛を吹いてそれに合わせて誰かが踊り、喜び合う。
「リーダーが笛を吹いて社員がそれに合わせて頑張る」
ほら、似てる。

単音の笛だけじゃ寂しいので、ギターの祖先みたいな楽器が生まれる。
打楽器は…最初からあっただろう。
「社員みんなでリズム(歩調)を合わせ、道具(テクノロジー)によってより美しいメロディー(結果)を生み出す」
よし、なんとか似てる。

すっ飛ばして、中世、ヨーロッパでは教会音楽が主流となった。
宗教という一つの信じる場所をねじろに教会旋法という、「この場合はこの音を使う」というルールが体系化された。
「社長の理念に共感した人々が職務規定に従って活動する」
うむ…なんとか…似てるかな?

次はバロック音楽。
ここで注目したいのが通奏低音だ。
これは、楽譜の上では低音部の旋律だけが記述されていて、演奏者はその上に適切な和音をつけて演奏しなくてはならない(ギターのコード譜に通じるものがある)。
これは「部長に裁量が任されている」といえるのではないか? プレイヤーによって会社のパフォーマンスが左右される時代になった。

そして古典派モーツァルトとか、ベートーヴェンとか天才を多く輩出した時代。
先輩たちの資産を組み合わせ、大胆なひらめきと美的感覚でそれらを集大成した時代。
それはまるで iPhone を生み出したスティーブ・ジョブズや、火星に行こうとしているイーロン・マスクのような…言い過ぎか。

ルールに則って美しく完成された形式美
しかし規則はいつも堅苦しい。
それに異を唱えたのが「自由っていったいなんだーい?」と叫んだ尾崎豊…というのは嘘だが、とにかくもっと感受性や主観を大事にしようよ、と生まれたのがロマン派だ。
なるほど、まじめ一辺倒な社長より、ロマンのある社長についていきたくなる!
この時代の音楽では調性音楽がある意味否定され始める。 半音階、不協和音、どんと来い! それが「エッセンス」になっていて欠かせない!むしろいい!
「会社に異分子を取り込んで活性化する」
ほら!ほら!似てるでしょ!

不協和音、ジャズでいえばテンション、それも度を超すとちょっと…。
後期ロマン派、マーラーR.シュトラウス、このへんが私にはギリギリ許容範囲だ。 シェーンベルク12音技法無調音楽など、結局、和音重視の私はついていけない。
しかし、歴史的には音楽はその発展過程でここまで到達した。 ひとつの音楽ジャンルであるジャズも似たような発展過程をたどっている。 だから私は教会旋法を使ったモード・ジャズまでが好きなのだ! 後期オーネット・コールマンのフリー・ジャズはもう…。
会社にもやはりは必要である。

理想を求めて追及し過ぎると、それ自身が暴走し、多くの人がついていけなくなる。
それはまるで、資本主義の行きついたグローバリズムが、いま世界中でほころびを見せ始めている現状のようだ。

それでも、そんな時代でも、街にはギター一本で今日から路上で自分の歌を歌い始める人がいる。
今日から小さな会社をスタートする人もいる。
私は応援したい。
時代に負けず独自の発展過程をたどって奏でられる美しいメロディー(商品・サービス)を聞きたい、見たい。

「キミ(社長)…いいね(いいですね)!ロマン派やね(ですね)!」

偉大なアーティスト達

スタコラ一覧