2014-10-13
大隈昭子
今、福祉・介護の事業所で「職務資格制度」の導入が広がっている。
福祉・介護の職場では、「人が人に対する福祉や介護サービスの提供という仕事であり、職員集団のチームワークこそ重要なこと」であるということで「職務資格制度」の導入は、敬遠される傾向にあったのではないかと思う。
福祉の仕事は、モノをつくる仕事ではなく、人間を相手とする仕事であり、職員同士が同じ福祉の理念に基づき業務をすすめるものであって、「職務内容を評価し、職務遂行能力を評価する」ことで人間関係が悪くなるのではと、大きな抵抗があった。
私自身もそのような感覚でとらえていた時期がある。
職務評価イクオール、査定されるという強迫観念が働き、受容できなかった。
しかし今、いくつかの事業所で「職務資格制度」の導入にかかわってみて、福祉の職場でこそ、より良い制度を構築し、人材育成と職員の定着率向上につながる取組みを進めることが出来るとの確信を持つことができた。
それは、
①新人の職員とベテランの職員の仕事の質には、当然違いがあり、その違いを職務評価によって明確にし、人材育成を図る取組をすすめること。
②職務評価結果は、処遇に反映させ、職員のモチベーションを引き上げる制度に発展させ、育成、処遇を一体とした制度の導入をめざしているからである。
職務資格制度の運用についても、そのことを明記し、評価結果をフイードバックする規程を策定することが、人材育成の力になると実感している。
「職務資格制度とは、
職員の意欲の向上、能力開発に活用することを目的とし、
職員の職務遂行能力を適正に評価し、それに相応する資格等級に格付けして
人材育成のための職務評価、教育訓練、職位への配置、異動、昇進、昇格、賃金、その他の人事管理に関する公正な運用の基準とすることとしている。」