2012-08-06
大隈信夫
ロンドンオリンピックが開幕した。
204カ国・地域と個人資格を含め、約19,000人の選手、26競技302種目で熱戦を繰り広げ、その試合の模様と結果が報道されている。
日本からは518人の選手が派遣され、精いっぱいの戦いを展開している。
今回のオリンピックは、1896年の第1回アテネ(ギリシャ)から数えて30回目で、ロンドンでの開催は第4回、第14回に次いで3回目。
同一都市で3回の開催は初めてとなった。
報道によると、今回のロンドンオリンピック組織委員会は、
スポーツの持つ力が、子どもたちの未来をつくり、子どもたちがスポーツの未来を創造する
と、世界各地の子どもたちにたいし、スポーツの普及とそれを通じた教育活動に力を注いできたという。
今回のロンドンオリンピックは、その開会式典も各国の選手たちが、それぞれの民族衣装や鮮やかな色彩などきらびやかな印象と、イギリスの農業から産業革命を経て、現代へとつながる壮大な歴史物語を展開したものであった。
そして、この式典の内容からは、昨年の東日本大震災からの東北の復興をも連想させる内容であった。
こうして始まったロンドンオリンピックは、連日の熱戦が多く人々に感動と勇気を与えている。
マスコミは連日、日本人選手の熱戦を伝えるとともに、獲得したメダルの色と数を伝えている。
オリンピックは、スポーツ競技であり、参加すればより高い記録と勝負に勝って、メダルの色と数を競い合うことは当然のことだとは思う。
メダルを獲得した日本人選手の表情をみていると、競技種目によって、その表情は複雑である。
メダルを獲得して晴れやかな表情を見せる選手がいる一方で、金メダルを期待されていた種目の選手は、銀メダルであったとその表情は固い。
競い合うスポーツでの勝敗は、全力で競い合ったその結果でしかない。
勝敗へのこだわりは当然としても、期待されたメダルの色ではなかったとしても、努力を重ね全力で戦った結果であり、その姿勢が多くの人に感動と勇気を与える。
銀メダルや銅メダルであってもメダルの色は結果として受け止め、顔を上げることが、より大きな感動と勇気を与えるのではないかと思う。