スタコラ:2019-07-29

そのとき、私は逃げた

2019-07-29
柿本

社会人2年目かそこらの頃、私は逃げた。今回はそのお話。

前職はプログラマだった。
あるプロジェクトの納期が間に合わなくなって、急遽、応援部隊として派遣されることになった。
しかし、2年目のペーペーに、先輩達が手こずった仕事の続きをうまくやれるわけもなく、大量の仕様書を渡されプログラムを改修しろと言われて、私はパニックになった。

いま思えば、追加要員とは、「遅れてすみません。たくさん人材を投入して挽回します。今暫くお待ち下さい」というクライアントへの誠意のポーズだ(実際には、後日、外注のO氏がほぼ一人で全てを書き換え、プロジェクトを完了させたのだが)。

応援部隊のリーダーはクールなイケメンT主任だった。似たような場面を経験済みなのだろう、黙々とコードを書いている。部下への指示は特にない。とにかくやるしかない、ということなのか?

夜遅く、作業を中断し、ヘトヘトになってホテルに戻った。朝になったらまた、あの急ごしらえの長机作業場で「なにか」をしなくてはならない。
私は落ち込んだ。日付はとっくに変わって、もう日曜日になっていた。

そのとき、柿本青年はひらめいた。
「日曜日は…休みの日だっ♪」
私は早々に荷物をまとめてホテルを後にし、社員寮のある広島にもどった。
そう、私は逃げたのだ。

「柿本がいない!」
「寮に電話しろ!」
その日、現場は相当混乱し、心配して寮に何度も電話したらしい。
そこに私は、いない。
その頃・・・私は駅ビルのお気に入りのお好み焼き屋で、そば肉玉をむしゃむしゃ食べていた。
「やっぱ広島風は、うまいわ~」

当たり前だが、後日こっぴどく叱られた。
私は「日曜日は当然、休みだと思っていました」と、シラを切った。
「勘違いなら…仕方ないな」という落とし所を期待して。まあ、そういうことになった。

若気の至り。
どうもすみませんでした。しかし、もう少しだけ言い訳してもいいですか?
もし、イケメン上司が
「2年目のキミには難しい仕事かもしれないが、これには、お客様に誠意を見せるという意味もあるんだ。だから2日間だけ一緒にいてくれないか?」
と、説明してくれていたら…!!?

ええと、これは

責任転嫁!

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