2006-08-23
大隈
大手芸能プロダクションの福岡事務所に所属する若手芸人A君と食事をする機会があった。
A君は、目をキラキラと輝けせて漫才の話しをする好青年だった。
話しには聞いていたが、若手のギャラの話はビックリもの
だった。
A君は、今年10年目のお笑い芸人
と自己紹介した。
福岡には漫才を常設で演じられるホールがなく、現在は、イベント会場での漫才だけではなく、福岡のローカルテレビ局の番組に2本レギュラー出演しているという。
しかし、このギャラがビックリもの
。
テレビ局から芸能プロダクションへ支払われるギャラは、はっきりとは知らないが、プロダクションから本人に支払われるギャラは、時間単価1,000円に届かないという。2本のレギュラー出演をしていて、である。
別のテレビキャスターから聞いた話では、地方のローカル局と東京のキー局では、ギャラに雲泥の差があり、2桁違うときがあるという。
こうした、現状が、若手芸人を東京に向かわせる要因になっているともいう。
A君は、自分の芸だけでは生活できないため、居酒屋でアルバイトをしている。
こうした苦労をしている若手芸人は、自分だけではないとも言った。そのアルバイトがいつしか本業になり、芸人の道を断念した若者もいるという。
華やかにテレビの画面を賑合わせている若手芸人とそれをとりまくの実態とは余りにも大きいギャップにおどろかされた。
しかし、売れ出した芸人にとっても「売れ出した芸」だけが求められ、使い捨てられることもあるという。
そういえば「ゲッツッ」とか「ダッちゅうの」と言っていた若手芸人はいまどうしているのだろうと思ったり、「そのと~おり」を売り物にする芸人はどうなるのだろうと、思ったりした。
芸能プロダクションがというわけでも、テレビ局がというわけでもないが、勝ち組や「成功者」には甘く、そしてそれを増長するような風潮が、これを後押ししているのではないかとも思う。
A君は、いつの日か、世の人たちを笑わせる自分の芸「漫才」で、今の苦労を花開かせるという。
そんな生き方は、すがすがしくてちょっといいなと思った。
A君がんばれ!! がんばれ!! A君。