スタコラ:2018-11-19

楽しく100歳、元気のコツ

2018-11-19
大隈昭子

 人生100年時代。
 今年の1月に100歳になられた吉沢久子さんの本《楽しく百歳、元気のコツ》は、吉沢さんの生き方が伝わってくる素敵な本でした。

 数年前、90歳を過ぎた母に“共感できるかな、何時までも元気でいて欲しい”との想いで《いきいき96歳!ひとり暮らしの妙味》という吉沢さんの本を、プレゼントしました。
 吉沢さんは、生活評論家として、食生活や家庭生活について生活者目線で考え、執筆や講演など、まだまだ元気で活躍されています。

 100歳の重みをもった「戦争中は、怖くて本音が言えなかった。」「今は情報もたくさん入ってくるし、ノーと声を上げることもできます。若い人たちには、戦争の事実を知って、反対の声をあげてほしい。絶対に戦争を起こさないでほしい、と強く思います。」「私も、限られた自分の持ち時間の中で、声が続く限り戦争の愚かさを伝え『戦争は嫌だ、憲法9条を守ろう』と訴え続けていきます。」との力強いメッセージ。戦時下の暮らしをつづった日記を、今も大切に保管されているそうです。
 こうしたメッセージの背景には、「『ありがとう』という言葉が、私は大好きです。言っても言われても、心が温かくなります。」と、感謝と思いやりの深さを感じとることができます。
 また、日々を楽しく豊かに生きるために「おいしく食べる幸せ」「食べることが生きる力に」など食生活を豊かに出来る秘訣とコツが盛り沢山で、吉沢さんの日常生活の中から湧いてくる生き方が伝わってきます。
「さすがに百歳になると、体もいうことをきかない」「それでも周りの方たちが何かと気にかけて、手伝いにきてくれるので生活ができています。」と周りの方々の支えに感謝しながらも「最後まで自立した人間として生きたい」との思いには、凛とした生き方を感じることができました。

 母が生きていた頃にプレゼントした吉沢さんの本。“母もきっと楽しく読んでくれたに違いない”と思えました。

スタコラ一覧