スタコラ:2012-04-16

奇跡の一本松の頑張りに期待する

2012-04-16
大隈信夫

新しい年度を迎えた。新しい出会いがあり、新しい決意をしている方も多いと思う。
新しく就職した新人のリクルートスーツ、ネクタイ姿の初々しさも毎年変わらない。
毎年のことだが、公益財団法人 日本生産性本部「職業のあり方研究会」は「新入社員の特徴」を発表している。
平成24年度の新入社員のタイプは「奇跡の一本松型」と発表した。
このネーミングは、あの陸前高田の「奇跡の一本松」になぞらえて期待をこめてのものだ。

大卒予定者の就職率が過去3番目に低い(80.5%)という困難な就職活動の中で それを乗り越えてきた頑張りを賞賛し、復興へのボランティア活動を通じて、他人の気持ちに寄り添うことや、人間関係の「絆」の大切さを 認識し、チームや組織としての互助的な協力関係を築くことの大切さを実感し、潜在的に他者への触れ合いや協同を通じて 社会の役にたっていきたいという気持ちがある、と分析している。
さらに、就職氷河期以降、既存の会社のありように自分を合わせるかということに汲汲としているように見えるが、今回の大震災から 「想定外」の事態に遭遇することも経験的に学び、柔軟な発想や新しい価値観を取り入れ、社会や企業の中で「変化」という風を吹かせる原動力となってほしい と期待をこめている。
東日本大震災にも耐えて生き残った「奇跡の一本松」は、復興に向けて多くの人に勇気を与えてくれた。
今年の新入社員もまた、前例の無い厳しい就職戦線をくぐって社会に巣立ち、幾多の困難や「想定外」にぶつかることがあると思うが、その困難を乗り越えていくことが期待されている。

仕事柄、大学や高校の就職セミナーや採用試験の面接官などで学生の皆さんと話したりする機会が多い。
今年度採用の新入社員の面接は昨年の秋に実施されている。
いくつかの自治体や会社などの採用面接の面接官として出会った学生の皆さんが、この4月から新たな社会人として出発している。
「奇跡の一本松」の今後の活躍に大いに期待している。

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