スタコラ:2017-01-02

世界、日本、そして、日常

2017-01-02
大隈信夫

 明けましておめでとうございます。
 昨年は、イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の当選などが大方の予想と違った結果で大きな話題となった。

 私は、ボブ・デュランが初めて、ノーベル賞を受賞したことが印象に残った。
 世界の各地でまだまだ戦火は続き、憎しみの連鎖で弱者が犠牲になっているなかで、ボブ・デュランのノーベル賞受賞は大きな意味を持っているように思う。
 ボブ・ディランの「風に吹かれて」や「ライク・ア・ローリング・ストーン」などは公民権運動やベトナム戦争で揺れた当時のアメリカを象徴し、「風に吹かれて」は、最後に「その答えは風に吹かれている」と締めくくられ、また戦争の親玉が自分は安全な場所に身を置きながら、多くの若者を戦場に送り込むことに激しい言葉で非難する強いメッセージがあった。

 昨年10月の国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議案を、賛成123カ国という圧倒的多数で採択した。
 このことで、「核兵器を禁止しその全面廃絶につながるような法的拘束力のある文書(核兵器禁止条約)」の交渉が開催され、条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて「違法化」されることになる。
 世界で唯一の被爆国日本にとって、この決議は、歓迎すべき動きであるが、日本政府は、この国際的な動きに対してきわめて消極的な姿勢をとっている。
 また、年金改悪やカジノ法案の強行採決をした国会運営など、安倍政権の独裁ともいえる姿勢にたいして、かっての自民党幹部からも批判が相次ぎ、さらに、経済分野でも“アベノミクス”の破綻がいわれている。

 こうした日本の状況に、しっかりと影響を受ける庶民の日常生活を考えると、このままでいいのかとの思いを強くしている。
 昨年来、安保法制をめぐって「立憲主義の危機」が叫ばれ、7月の参議院選挙では、野党共闘への期待が高まり大きな動きとなった。

 2017年は酉年。
 酉は、もともとは酒つぼを意味し、収穫した果実から、酒を作るという行為に、由来したという説がある。
 世界史の流れに沿って2017年が実りある年となり、しっかりと収穫できる年となるよう、日常的にしっかりとした意識を持って考え、行動しようと思う。

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