スタコラ:2013-07-01

うなぎが食べたい

2013-07-01
新開

6 月から「介護職員のメンタルケア」についての研究調査を始めました。 臨床心理学の研究チームで小規模多機能型施設の協力を得てようやくスタートすることができたところです。
先日、その施設に伺った時のことです。 利用者の方に「今日はうなぎがついて良かったね」と、職員の方が食後の会話をされていました。 今日のメニューがうなぎだと思っていたら、そうではなく、お誕生日の差し入れとのことでした。
利用者の方がお誕生日で、「何が食べたい?」と尋ねたら「うなぎが食べたい」とおっしゃったので、 職員の方がご家族に「お誕生日にうなぎが食べたいって言ってますよ。」とお伝えしたそうです。 するとご家族の方が大きなうなぎを持って来られて、皆さんにもお裾分けということになったようでした。

以前、テレビ番組のニュースステーションで『最後の晩餐』というコーナーがあり、キャスターが「人生の最後の日に何を食べたいか?」という質問をゲストにしていました。 うなぎのエピソードでその番組を思い出したのですが、何が食べたいか言えることは「生き生きと生きている」ということなのかもと思いました。
そして、精神科医エリザベス・キューブラー・ロス著『人生は廻る輪のように』の“死ぬまで生きる”という章のことが頭に浮かんできました。

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