スタコラ:2022-01-03

新年おめでとうございます

2022-01-03
大隈信夫

 新年おめでとうございます。
 2022 年、令和 4 年 は、どんな年になるのだろうか。
 世界的なパンデミックを起こしている新型コロナ感染症は、オミクロン株など次々に変異を続けながら、なかなか収まる気配が見えない。

 2022 年度の予算案は、過去最大の107兆5964億円と21年度当初予算比で 0.9 %増で10年連続で過去最大を更新している。
 岸田文雄首相は、この22年度予算案を「成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現」に向けた予算案と位置づけているが、「これでは好循環にはならない」との批判が相次いでいる。
 歳出を見ると、高齢化に伴い社会保障関連の自然増を除けば、実質的な増額は、防衛費(1%増)のみ、「賃上げ減税」とする「法人税の減税」は、中小企業には何の恩恵もなく、「景気の好循環のため」とする施策とはかけ離れている。
 コロナ感染症対策として21年度と同額に5兆円の予備費を計上しているだけで、営業自粛や営業時間短縮で経営の危機に瀕している飲食業をはじめ、国の主人公であるべき中小企業や危機的な国民生活を支援する施策も極めて不十分な予算となっている。
 現在のコロナ禍の中で、「感染抑制でパンデミックからの脱却か」、「経済活動か」と対比されるが、2022 年予算案では、そのいずれも不透明のままだ。

 もともと、「コロナ禍でも国民の命と健康を守ること」は最優先課題である。
 また、「経済」とは、本来「人々が豊かな生活を送るための物の生産やサービスの提供」と「消費」の循環によって成り立つもので、経済活動とは、「社会全体の人々のニーズを満足させる供給を組織する」活動である。
 今回の22年度予算案は、「新自由主義からの転換」を声高に言っても、その実態は、これまでの「自己責任・自助・共助」の基本を踏襲するものにほかならない。

 2022 年の干支は「壬(みずのえ)寅(とら)」。
「壬」は厳冬、静謐(せいひつ)、沈滞といったことを表し、「寅」は動くの意味で、春が来て草木が生ずる状態を表しているといわれ、「冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれる」という。
 前回の「壬寅」は、420 年前(1602 年)江戸幕府の成立前夜。激動の時代であった。
 2022 年は、新自由主義や「偽の経済活動」から、主権者である国民の命と暮らしを大事にする政治への選択が、激しく問われる年になると思える。

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