スタコラ:2012-06-11

家族ポイント制のすすめ

2012-06-11
柿本

岩下修氏のAさせたいならBと言えを読んだ。
感銘を受けると同時に、多いに共感し、私なりに解釈してこれを実践し、効果をあげたのでそのことをレポートする。

ウチには小学生と幼稚園の子供がいる。遺伝ってすごい。体型だけでなく性格までもだんだん私(天の邪鬼)に似てきた。特に上の子だ。
「掃除しなさい」「なんで?」
「宿題すませなさい」「あとでね」
「ゲームばかりするな」「ああ、いまやめようと思ったのに!」
そういう年頃なのだろうか、とりあえず何にでも反論してくる。 兄がそうすると弟も全く同じトーンで反論をくり返す。
漫画でガキ大将が「おまえ、最近なまいきだぞ!」と言うと、親分の後ろに半分隠れたまま、「なまいきだじょ!」とやるアレだ。 親の言う事を素直に聞かない。全く困ったものである。

こんな感じで、最近の我が家において「親子関係のマネージメント改善」は喫緊の課題であった。 そんなとき、たまたま書店で出会ったのがAさせたいならBと言えだ。

岩下氏は教育家で、長らく小学校で教鞭をとられてきた。 氏によると、生徒に「A」させたいとき、直接それを言葉にしてはダメで、別の言い方「B」で誘導すると生徒はよろこんで「A」するという。 本では「別の言い方B」を見つける方法が具体的に示されていく。 たとえば「確実にイメージできるモノと連動させよ」とか「数字を効果的に使え」といった具合に。

振り返ると私は、「A」させたいとき、いつも「A、A、A」と言い続けてきた。 直接言うことがまだ幼い子供には「分かりやすい」と思っていたからだ。
そうではなく、子供たちがよろこんで「A」するための「B」を見つけなければならなかったのに。 そこで氏の「数字を効果的に使え」にヒントを得て考えたのが「家族ポイント制」だ。

現代はポイント経済花盛りだ。 モノを買うと何かしらポイントがついてくる。 10 %ポイント、来店ポイント、ポイント倍増 Day など、企業は魅力的なポイントシステムで顧客を引きつけようとしている。 そして大人は(私も)ほいほいそれにのっかっている。
家族内にもポイント制度があってもいいはずだ。

子供たちがやりたいこと(ウチでは主にゲーム)、大人がさせたいこと(掃除、漢字の練習など)を1ポイント=1分というシステムに組み変えてみた。 すなわち、我が家では 30 分ゲームがしたければ、30 ポイントをまず獲得しなくてはならず、漢字の練習でいくと、それは 200 字練習帳1ページに相当する。
「早起きポイント」や「お手伝いポイント」といった「生活基礎ポイント」によって子供たちは小さなポイントをこつこつためることもできる。 「ゲームをする前に漢字を練習しなさい」と直接的にいうのではなく、「まず 30 ポイントためなさい」と言えるのだ。 そして、「ポイントをためる」という行為は子供にとっていわば「生活ゲーム」の一種であり、ゲームなのだから、あまり苦痛を感じないらしいのだ。
また、この制度の副作用として下の子(5歳)まで二桁の足し算がずいぶん上手になった。 自分の勝ち取った権利ポイントを明確に主張するため、わずかな基礎ポイントの足し算も彼にとって大事な計算というわけだ。

私が見つけた「B」は、「ポイント制の導入」だったわけだが、 もちろん、これは単なる家族ルールだから厳密に運用する必要もなく、「今日はフリー!」などと時々大判振る舞いしてやると子供は無性に喜んで
「パパ好きちゅ」
してくれる。もともとポイントなんて無いのに!
しかし、バーチャルな関係性に身を投じることに何の疑問も感じない現代の子供はこのような方法でも楽しく課題をこなすことができることが実証された(少なくともウチの子はね)。
もう少しこのことを研究していつか広く世に知らしめたい。
「子供が言う事を聞かなくて…」
同じようなコトで困っているおとーさん、おかーさん、あなたのオリジナルなポイント制度、導入してみませんか?

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