スタコラ:2013-12-09

業務のマニュアル化

2013-12-09
柿本

「業務の引き継ぎがむずかしい」そんな話をよく聞く。

企業にとって、技術やノウハウをもった社員が退職するのは、どんな理由にせよ辛いものだ。
とりわけ、人数が少なく、組織化が十分でない中小企業 ―そこでは個人の知恵や技術が会社そのものの価値と大いに重なっている― では、業務の引き継ぎは、会社運営の根幹にかかわる大問題だ。

そこで、「業務マニュアルを用意すればいいじゃないか」という発想が浮かぶ。
社員が日々行っている仕事内容をドキュメント化しておくのだ。
そうすれば新人が来た時も、不意に退職者が出たときも、そのマニュアルさえ見ればいい(?)。

ところが、実際にはそう簡単な話ではない。
まず、社員は日々の業務に手がいっぱいでマニュアルを作るヒマがない。
仮に時間が取れたとしよう。ある業務についてなにかしら「マニュアルらしきもの」が完成した。 果たしてそれは実際に機能するだろうか?
そもそも、それは業務をどのように細分化したのだろうか?
「マニュアル通りに実行する」とは、具体的には何を意味するのだろう?
誰がその達成度合いをどのように評価するのだろうか?
マニュアル作りにはいろいろな「人間」の視点が必要である。

…昔、「マニュアル・マニュアル」という本があった。
その名の通り、マニュアルを作るためのマニュアル本だったが、悲しいかな、そのノウハウはいまの自分には残っていない。
ただ、漠然とその書名を記憶に残すのみである。
やはり、そこにただ、マニュアルがあるだけではだめだ。人間が介在しないと。

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