スタコラ:2006-10-29

生きた教育

2006-10-29
新開

先日、電車の窓から外を眺めていたら、大きな虹がかかっているではありませんか。
正面の席にはピンクのジャケットを着た女性が一人。
とても綺麗な虹だったので、その女性に虹が出ていることを言おうか言うまいかの葛藤を乗り越え「虹が出ていますよ」と声をかけてみました。すると、その女性は「わー」と言って喜んでくれ、「またお会いできるといいですね」と言って降りていかれました。
おかげで、明るい一日の始まりとなりました。

日常の中での、人と人とのかかわりは生活の中で潤いとなるものです。
ところが、昨今では他人と関わることは、わずらわしいものだと感じている人も少なくないのではないでしょうか。
自分のことを振り返ってみても、虹が出ていることを伝えるだけなのに、相手の反応を気にして心の中で葛藤があったわけです。

先日、知人の紹介で小学生が作ったコミュニケーション大事典という本を購入しました。
北九州市立香月小学校の6年生がコミュニケーションについて調べたものをまとめたものです。
小学生が調べた項目は、「あいさつ力」「返事力」「表情力」「笑顔力」「うなずき力」「あいづち力」「目線力」「姿勢力」「メモ力」「傾聴力」「質問力」「報連相力」「ふれあい力」「ユーモア力」など、「34」のコミュニケーション能力に分けて説明されています。

内容を少しご紹介しますと、「報・連・相」についての合い言葉は、「けちするな」だそうです。
「け」結果から先に、「ち」中間報告もする、「す」すばやく、「る」留守のときはメモで、「な」内容は事実に則して、とポイントがまとめられていました。
これは、来年の新入社員研修に使わせていただこうかと思っているほどです。
また、「笑顔力」では、デパートのインフォメーションの方や、プロのアナウンサーの方にインタビュー取材をして学んだことが紹介されています。

A4サイズでフルカラー155ページの充実した内容の仕上がりで、先生と子供たちが一緒になって生きた教育が実現された結果だと思います。このような、生き生きとした教育を受けられた子供たちは幸せです。
どの学校でもこのような素晴らしい教育を受けられるようであってほしいものです。

小学校時代にこのような学びを体験した子供たちは、迷うことなく「きれいな花が咲いていますよ」などの言葉を、誰に向けても伝えることのできる大人になるのではないでしょうか。

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