映画観てある記：第195回

2012 年 6 月 20 日、ブラジル・リオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議。
環境の保護と経済発展をどのように両立させるのかを課題に論議された。
南米国・ウルグアイ東方共和国大統領、ホセ・ムヒカ・コルダーノ氏が発言。
はじまる前は注目されなかったスピーチは、その後さまざまな国の言葉に翻訳されて、世界中に広がり日本では本にもなった。

彼の「我々は、発展するために生まれてきたのではない、幸せになるために地球に生まれてきたのだ。…本当の貧しさとは、お金や物がないことでなく、ここに（頭をさして）あるんだ」との発言が強く印象に残った。
今の日本についてどう思うかとの記者の質問に、彼は
「産業社会に狂わされていくだろうね、すごく進歩を遂げた国だと思う。
　でも、日本人が幸せかどうかは疑問だ」
なぜ日本のことをご存知なのですか？
「読書が好きでね。ペリー提督が日本を訪れた時代を読んだことがあるよ。
　当時日本は鎖国していて西洋人は泥棒と思っていた時代、あながち間違いではなかったけど、賢い政策で対応した。
　西洋の進んだ技術に対抗できないことを認め、彼らに勝る技術をつくろうと頑張った。
　そしてそれを成し遂げた。実際にね…。
　でもその時日本の魂を失った」

2016 年４月、日本に招待され来日。
広島訪問をはじめ、東大での講演では若者たちとも交流を行った。
来日後の日本に対する感想を含め、是非このドキュメンタリーの鑑賞をお薦めします。