映画観てある記：第117回

太宰治の代表作である同名の短編小説を元に、太宰の他の作品のエッセンスを盛り込んで脚本化した作品。

小説家としての才能はあるが、プライドが高く何事にもだらしない主人公、大谷を浅野忠信が好演。
そんな夫を許して支える明るく芯の強い妻を松たか子が演じ、好対照をなしている。

終戦後の東京。
大谷は飲み屋で金を盗んで逃走する。
大谷の妻、佐知は弁償のため飲み屋で働き、あっというまに評判になる。
大谷は大酒を飲んでは借金をし、浮気を繰り返すのだったが…。
本作品はモントリオール映画祭で最優秀監督賞を受賞した秀作である。