映画観てある記:第140回

暖簾

監督:川島 雄三
出演:森繁 久彌
山田五十鈴
小原 新二
1958年 東宝

2009 年老衰で亡くなった、国民的俳優・森繁久彌の40代半ばの作品。
山崎豊子が毎日新聞の記者時代に執筆したデビュー作「暖簾」の映画化で、山崎豊子の生家の昆布商がモデルである。

八田吾平は 15 歳で淡路島から大阪に出てきて、昆布商の浪花屋に奉公し、25 歳で「浪花屋」の暖簾を分けてもらい小さいながらも店の主人となる。
時代背景が戦前、戦中、戦後と移り変わって行く中、吾平一家に様々な困難が押し寄せるのだが…。

本作の見所は、森繁久彌が大阪の伝統的な商人である吾平と、戦後タイプの理性的な孝平を見事に演じ分けていること。
また、戦後の大阪の街並みの映像や、多くの芸達者な俳優人の歯切れの良い演技と、川島監督の演出が素晴らしい傑作である。

暖簾

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