映画観てある記:第132回

夜の片鱗

監督:中村  登
出演:桑野みゆき
平 幹二朗
園井 啓介
菅原 文太
1964年 松竹

2013年にベネチア映画祭クラシック部門、2014年にベルリン映画祭フォーラム部門でそれぞれ上映され、中村登監督の再評価へとつながったとのことである。

昔の映画を観る楽しみの一つに、亡くなった俳優さんに会えることがある。
この作品では、若き日の菅原文太さんが観れた。
この時代に東映でなく松竹作品に出演していたなんて、しかも、はまり役のヤクザ者の役で…。

物語は、工場で働きながら夜はスナックでバイトする、19歳の芳江(桑野)が店で英次(平)と知り合い、何度か会ううちに関係をもってしまう。
英次は実はヤクザだったのだ。
ヤクザと知りながら離れられない、揺れ動く複雑な女性の心情を桑野みゆきが熱演。
それと同時に裏社会の実態が鋭く描写されている秀作である。

夜の片鱗

映画一覧