映画観てある記:第116回

海と毒薬

監督:熊井 啓
出演:奥田瑛二
渡辺 謙
成田三樹夫
西田 健
神山 繁
1986年 日本ヘラルド

遠藤周作の同名小説の映画化で、原作は 1945 年に九州大学医学部で実際に行われた、捕虜となった米兵(B-29 爆撃機搭乗員)の生体解剖事件を元にしている。

脚本は 69 年に完成していたが、そのショッキングな内容のため製作が難航し、完成は 86 年となった。
映画で使用された血液は本物を使用するなど、リアリズムに溢れた本作は話題となり、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。

本当に戦争というものは、人間の理性や常識をいとも簡単に変貌させてしまうものであり恐ろしいものである。 その背景には、国家と軍隊の重大な責任があると強く思った。

海と毒薬

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