映画観てある記：第50回

６年間育てた息子は、病院で取り違えられた他人の子だった。
さて、あなただったらどうしますか？

昭和の時代にどこかで、実際にあったような、耳にしたような話である。
映画は、それぞれの形で、６年の歳月を抱きしめるふたつの家族。
果たして新たな絆は生まれるのか？
事件の行方を追いながら、いつしか観客は物語の内側に入り込み、主人公たちと共に考え、苦悩する。

昔からのことわざに「血は水より濃い」「生みの親より育ての親」とあるが…。
実際に自分に起きた場合、各個人はどう考え、行動するだろう・・・

本作は２０１３年５月、第６６回カンヌ国際映画祭コンペティション部門という最高の舞台で審査員賞を受賞した話題作である。