映画観てある記:第1回

名もなく貧しく美しく

監督:松山善三
出演:高峰秀子
小林桂樹
1961年 東京映画

監督の松山善三は、木下恵介監督の下で助監督を努め、脚本家として活躍した。
本作品は、松山監督が有楽町で目撃した聾唖の靴磨きの夫婦を題材に脚本化した感動作である。

物語は、秋子(高峰)と道夫(小林)が耳の聞こえない障がいを乗り越え、結婚して戦後の苦しい状況の下で子どもを育てていく様子が描かれ、その中で、現実の社会における偏見やいじめ等、さまざまな問題に遭遇しながらも、二人が協力し合い、生きていく姿は感動する。

何が幸せなのか、親兄弟の絆、親と子の関係など、本当に考えさせられる作品となっている。
物質的に発達してきた日本において、今一度、観ていただきたい作品である。

高峰秀子と小林桂樹の手話での演技も見ものである。

名もなく貧しく美しく

映画一覧