6:業績達成の責任と部下の育成
「部下にやらせるより自分でやったほうが早い」
業務の流れを見ると管理職が日常の業務に埋没している職場を目にすることがある。
管理職が現場の実務に忙殺されると、本来、管理職に求められる判断業務や部下の育成に手が回らなくなる。
本来、管理職には、目標を達成するために、マネジメント(仕事の管理、人の管理)が求めらている。そして、その責任と権限が与えられている。
たしかに、部下に仕事を任せると、仕事を説明したり、進捗状況を把握したりといった管理職の時間が取られる。
部下に任せた業務も時間がかかり、不充分な成果であったりする。
だから、つい自分でやってしまう。
しかし、これでは業績は決して伸びない。
しかも、管理職の人件費単価と部下の人件費単価を比較してみると、採算では逆に、人件費(コスト)が膨らんでいる場合が多い。
実際の業務は、可能な限り部下に任せ、そのうえで、仕事の誤りや不充分な部分をただし、補っていく。
最初はじれったいし、部下の飲みこみの悪さやミスにイライラすることもあるだろう。
しかし、この労苦を厭うてはならない。
業務にトライさせ、適切なフィードバックをおこなうことで人は必ず進歩する。
進歩を自分で実感できた者は、自身と意欲が高まり、ますます挑戦心が湧き、さらに一段高いレベルで成果を上げる。
そんな、職場環境をつくる責任と権限が管理職には与えられている。
部下には、思いきって仕事を任せ、業績をあげる。
新人が配属されたら即戦力とするため業務配分をおこなう。そして、育成の方策を考える。
そんな管理職が今、求められている。