3:障害の突破と責任の所在
業務は、時として障害にぶつかる。
いや、むしろ障害はつきものと考えるほうが正しい。
日常の業務で発生するこうした問題にどう対応し、解決するかは、管理職の力量を問われる課題であり、この障害にどう対応するかによって、業績は大きく左右される。
業務に直接携わる部下が、実際に障害にぶつかり、問題が発生した時にきちんと対応し、手遅れにならないためには、日常的な部下との関係が大事である。
部下に嫌われるのは困るから「NO」とはっきりいわない。
かといって「YES」といって責任をとるわけでもない。
当たり障りのない態度や発言など、そんな姿勢で接していては、問題が発生したとき、部下からの報告や相談は期待できず、問題の解決が手遅れになる。
誰に、何を、どこまで任せるのか、相談された事項で認めたことは何か、保留した事項は何か、却下したことは何か、管理職にはこんな事を明確することが求められている。
そして、任せた結果には、管理職自身がきちんと責任をとる態度を貫く。
こうしたことが、部下の責任感を育て、障害にどう対応して解決するかを考えさせる基本となる。
また、部下の仕事の成果を、ちゃんと本人に還元してやることも上司である管理職の役割である。
どんな部下でも「自分の期待の半分以上の結果で合格」と考えるくらいで、成果は部下のものにしてやる。
そうしてやることによって、責任も自覚するようになる。
部下の手柄が、自分の手柄。
部下に脚光を浴びさせるのも有能な管理職の要件である。
障害を突破する職場風土をつくるのは、管理職の基本的役割のひとつである。