2:「社長が言っているから…」は「一応、建前は…」と同じこと
経営トップと現場には、往々にして距離が生じる場合がある。
管理職の役割に、この距離を埋めることがある。
しかし、この経営トップの考えや経営方針を職場に“落とし込む”役割を実行できていない管理職が以外に多い。
「〇〇の件は、社長が言っているから…」とか、理由もはっきりさせず「管理職会議で急に決まったから…」といった物の言い方で伝えている場合がある。
こういう言動は、「一応、建前はそういうことです。」と言っているのと同じことだ。
「私自身は、そうは思っていない」とか「私には分からないが…」という意味にもとれる。
人は納得してこそ本気になるし、納得して行動するかどうかで、成果に大きな影響を与える。
部下を指導・育成する立場にある管理職が、この納得性を放棄したままでは、方針が現場に反映されないのは当然の結果である。
経営トップの決断や方針、あるいは管理職会での決定したことについては、その徹底の推進力は管理職以外にない。
推進役になるためには、自分自身の中に当然“原動力”が必要であり、それがなければ到底、部下の“原動力”も生まれない。
管理職には、現場へ提起されている方針を、現場の言葉に置換え、自分の言葉で話すことが求められ、部下の実際の業務に結びつくような具体的な話方をしなければならない。
しかし、方針の理解度は、管理職自身が100%であっても、部下の理解度は50%くらいだと考えていた方がよい。
そのくらいの気持ちで、方針を提起された部下の行動を見守ることが必要だ。
たとえ意思が伝わったと思っても、案外違って受け取られていたりする場合がある。
会社からの伝言としてではなく、あくまでも自分自身の声として、繰り返し何度も話すようにすることである。
そうすることで、具体的な方針となり、その方針にもとづいて、業績アップを図ることができる。