5:“自責経営”が業績を伸ばす
厳しい経営環境のもとで生産性向上による収益体質の強化がますます重要になっている。
しかし、これは経営トップの号令ひとつで成果が現れるほど簡単なテーマではない。
なぜなら、それは現場レベルでの地道な生産性アップの努力が必要だからである。
「自責経営」という言葉がある。
部門やチームで経営意識をもち、独立採算を志向する。それが「自責経営」の意味である。
部門長をはじめとする社員一人ひとりが、「自責経営」の意識をもって仕事をすることが重要だ。
この意識が根づいてくると、仕事の生産効率や固定経費効率、販売効率などのついて、各人が問題意識を持つようになる。
品質の向上も、原価低減も、作業時間の短縮も、納期の厳守・短縮も、現場の強い意思こそ、その原動力となる。
まずは部門を率いる幹部が経営感覚をもつこと。
そして部下の意識レベルを引き上げて、生産性向上の大切さを全員が認識できるようにする。
そうすれば各人の仕事の現場に、どれだけ改善の余地があるかが見えてくる。
一人ひとりがそこに気づき、自分ができること、やるべきことを遂行するようになれば、部門の生産性が高まり、その集積によって会社全体の生産性が高まる。
これからの時代、部門長はもちろん社員一人ひとりがこの意識をもち、下からの黒字の積み上げることが、業績向上の基本である。