2026-09-28
林田
私の同級生にも、孫が生まれて「おばあちゃん」になった人が増えてきました。
私も、もうすぐその仲間入りです。
先におばあちゃんになった友達から、よくこんな話を聞きます。
「今の赤ちゃんって、予防接種が昔の倍以上あるみたいよ」
確かに多いように感じます。
でも、お嫁さんが赤ちゃんの健康を願って、一生懸命に予防接種へ連れて行っているのを見ると、祖父母の立場からは、なかなか口をはさめません。
「どうして、こんなに増えたのだろう?」
そんな素朴な疑問を持ちました。
調べてみると、1994 年頃の乳幼児は、0 ~ 2 歳までの接種回数がおおむね 9 回だったのに対し、現在はおおむね 18 回。
現在では、Hib(ヒブ)、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス、水痘などが定期接種に加わっています。
さらに、令和 8 年度(2026 年度)からは、妊娠 28 週から 37 週までの妊婦を対象とした RS ウイルスワクチンも定期接種になりました。厚生労働省は、妊婦への接種によって、生まれてくる赤ちゃんの RS ウイルスによる肺炎や細気管支炎を予防することを目的としています。
もちろん、医学が進歩し、以前は防げなかった病気を予防できるようになったことには、大きな意味があります。
一方で、こんな疑問も残ります。
「30 年前の赤ちゃんは、今ほど多くのワクチンを接種していなかった。それでも、多くの子どもたちは無事に成長して大人になっている。では、なぜ今はこれほど多くのワクチンが必要になったのだろう?」
そして、もう一つ考えたいのが「定期接種」という制度です。
「定期接種」と聞くと、「国が必要だと認めているワクチンなのだから、受けるのが普通なのだろう」と感じる人も多いのではないでしょうか。
実際、定期接種には、
・国や専門家が必要性を認めているという安心感
・公的な制度として位置づけられていることによる信頼感
・多くの人が受けているという安心感
・公費によって費用の負担が小さくなること
・「自分で一から判断しなければならない」という心理的負担が減ること
などがあります。
その一方で、「定期接種なのだから、受けるのが当然」という空気が生まれることもあります。
「受けない」という選択をするには、何か特別な理由が必要なのではないか――。
そう感じる人がいても不思議ではありません。
つまり、制度そのものが、私たちの判断に一定の影響を与える面もあるのではないでしょうか。
だからこそ、私は一度立ち止まって考えてみたいと思います。
そのワクチンは、本当に定期接種にするだけの必要性があるのか。
その病気は、子どもにとってどのくらいの危険があるのか。
ワクチンによって、その危険をどの程度減らすことができるのか。
一方で、ワクチンにはどのような副反応があり、どのくらいの頻度で起こるのか。
そして、まだ十分に分かっていないことは何なのか。
こうしたことを、病気のリスクとワクチンのリスクの両方から、できるだけ冷静に知った上で判断することが大切なのではないでしょうか。
特に、初めて母親になる人は、赤ちゃんの健康を願いながら、慣れない育児に追われています。
「これだけたくさんのワクチンを、本当に受けさせて大丈夫なのだろうか」と迷うことがあっても当然だと思います。
そして、その迷いの背中をワクチン接種に押しているものの一つが「定期接種」という制度なのかもしれません。
現在の予防接種法では、A 類疾病の定期接種について、対象者には「予防接種を受けるよう努めなければならない」という努力義務が定められています。つまり、法律上、すべての人に強制的に接種を受けさせるという仕組みではありません。
だからこそ、「定期接種だから受ける」だけではなく、なぜ定期接種になっているのかを知ること。
そして、「受けるメリット」と「受けることによるリスク」の両方を知った上で、自分や家族にとって納得できる判断をすること。
それが大切なのではないでしょうか。
自分や家族の健康を守るための予防接種だからこそ、国の制度を信頼するだけでなく、私たち自身も情報を調べ、考えることが必要なのだと思います。
「みんなが受けているから」ではなく、「私は、この病気のリスクとワクチンのリスクを知った上で、この選択をした」と言えること。
それが、本当の意味で自分と家族の健康を守ることにつながるのではないでしょうか。