2026-09-14
白水
最近、本当によく見るのですが、
「全部 AI に任せています」
と言う人が出してくる文章や成果物が、
あまりにもひどいケースがあります。
会議の音声を AI がまとめただけの議事録とか、
AI にただ書かせただけの記事とか。
僕は、こういうものを持ってこられると、
申し訳ないですが、容赦なく突き返してしまいます。
実際、アメリカの調査ですが、
働く人の 4 割がこの 1 か月に
「それらしいけれど、まったく使えない AI の成果物」
を受け取っていて、1 件につき 2 時間近くを
やり直しに使っているそうです(BetterUp・スタンフォード大学、2025年)。
こういう人の共通点は、
AI の使い方が下手
ではないんです。
本人はそう思っていたりします。
でも違うんですよ。
相手が AI だろうが人だろうが、
そもそも「任せ方」をよくわかっていない。
これが共通点なんです。
僕は長く、管理職研修や
人材育成の研修をやってきました。
でも「任せ方」が上手な人は、
実際なかなかいません。
ほとんどの人は、任せるとは
「自分と同じ結果」
を相手に出させることだと思っているからです。
任せ方には2種類あります。
ひとつは
「自分と同じ結果を出してほしい」
という任せ方。
安全確認、規則やルール、決まった手順などの仕事です。
もうひとつは
「自分と違う価値を出してほしい」
という任せ方。
企画、プロジェクト、新しい試み。
つまり、定型以外のほとんど全部の仕事です。
この 2 つは、任せ方がまったく違います。
前者は「このとおりにやってください」、
後者は「もっと別の価値を出してください」
というオーダーです。
実は、経営学でも昔から似たことは言われていたんです。
新人にはこういう任せ方。
ベテランにはこういう任せ方、のように。
つまり相手が新人かベテランかという
「相手の習熟度」で分ける考え方でした。
ところが AI には、
新人もベテランもありません。
だから、その仕事は
同じでないと困るのか?
違う価値が出たほうがいいのか?
で、分けるしかないわけです。
多くの人は、これを混同したり
間違ったやり方で任せているわけです。
例えば、まったく同じ手順でやってほしいのに、
アバウトな指示で任せてしまう。
新人に安全管理を
「あなたの考えでやってください」
と任せるようなものです。
これは失敗します。
事故が起きますよね。
逆に、自分よりもっと
別の視点で成果を出してほしいのに、
手順を細かく逐一指定してしまうケース。
そんなことをすれば、
人であっても AI であっても、
出てくるのは自分の劣化コピーのようなものです。
そう、冒頭の
「全部 AI に任せています」
という人は、この違いを
あんまりわからないまま
「まとめてください」
「書いといてください」
と渡しているはずです。
なので、一応
それらしいものが返ってきますが
よく見ると読むに耐えないものが
提出されてしまうわけです。
だから、ぜひあなたも
AI に任せる時(人であっても!)
「まったく同じ結果でないと本当にダメなもの」
「違いが出たほうが価値がでるかもしれないもの」
に分けてみてください。
そうすると、AI への指示も
ずいぶん変わってくるので
良いものが出力されるとおもいます。
AI がひどいものを出してきたとき、
それは AI の性能の話ではなく、
実は、自分の任せ方の上手下手が
映っているのかもしれませんね。
気をつけないと。