2025-09-22
大隈信夫
「昭和生まれのテレビじいじ
」と、連れ合いに揶揄されている私は、最近、テレビのコマーシャルが、なんか、ちょこちょこと細切れで、いくつものCMが繰り返されるような気がしていた。
番組の途中に流されるCMは、1本が約15秒で、立て続けに何本もながれ、2分間に30秒が2本と15秒が4本、さらに番宣が4本と続く。これだ、自分が感じていたものは。
調べてみた。
民間放送が開始された当初は生コマーシャルが主流で、すべて1分から2分、その後の録音・録画CMは、60秒枠・30秒枠がスポットCMの販売単位として定着し、現在は、CMの販売単位は、民放連(日本民間放送連盟)では、標準時間目安を5秒・10秒・15秒・20秒・30秒・60秒と定めている、とあった。
では、気になっている細切れ
の15秒はいつから始まったのかと調べてみると、1961年秋であり、その後、60年代後半からは、現在の15秒枠がスタンダードとなり、30秒、60秒は長尺とされていることも分かった。
へ―そうだったのか、そんな60年近く前からの細切れCM
が、なぜ、今、気になったんだろう。
CMのテンポについていけず、煩わしく感じる年齢になっていることは間違いないが、細切れ
で気が付いたことがある。
それは、最近の選挙で大きな影響があったとされる「切り抜き動画」だ。
CM枠の変遷は、「企業活動上のCMの効果」を検証しながらの変遷だと考えると、最近のSNSで拡散される「切り抜き動画」の威力が理解できる。
2010年に固定電話85.5%、スマホ9.7%の時期から、2023年には固定電話57.9%、スマホ90.6%と大きく変化した環境の中で、この細切れの「切り抜き動画」の効果がますます重要になるのだろう、と思う。
紙媒体とテレビ世代の「昭和生まれのテレビじいじ
」にとっては、大変な時代になっていると、改めて感じる日々だ。