2025-07-14
白水
電車で見かけた、パンパンに膨らんだビジネスバッグを持つ人。
うーん。なんだか服装からみても、いまひとつの印象。
もしかしたら、この人あんまり仕事ができない人なのかも…
なんとなく、そう思ってしまいました。
一方、近くに、薄くて軽そうなカバンをもち、身軽に立っている人がいました。
きちんとした服装で、靴もきれい。
思わず、「この人、仕事できるんだろうな」と感じたんです。
もちろん、カバンの重さだけで人の能力は測れません。
ですが、僕はこれまで多くの現場で「仕事ができる人ほど、持ち物が少ない」というかなり勝手な共通点を感じてきました。
そして、その理由は、その人たちの「思考の順番」と「構造の設計力」が深く関係しているのではないか?と思っているのです。
まず、基本的に仕事がうまくいかない人には
ある思考の癖があります。
それは、何かを依頼されたり
新しいタスクが発生したときに
まず「何をすればいいか?」と考えてしまうことです。
つまり、まず「どうしたらいいか?」
と反射的に行動を考えてしまうんです。
すると、具体的なアイデアが浮かばなければ
情報収集や勉強を始めるしかありません。
「知識を入れて、思考して、行動して、成果を出す」
という流れになるわけですが
これは非常に時間がかかるやり方です。
いうなれば、運転免許試験に合格するには
対策問題集を解くだけで十分なのに、
わざわざ交通法規の法律を一から
学ぼうとするようなものです。
「とにかく必要かもしれない」
と思って、資料やツールを大量に検討する。
まぁ、結果として、カバンはパンパンになります。
一方で、仕事ができる人は
思考の順番がまったく逆です。
その人たちはまず
「必要最低限として、何が達成できればOKか?」
というミニマルなゴールを定めます。
そのうえで
「それを実現するには
どんな構造があればいいか?」
と考えます。
このときのポイントは
すべての方法を最初から
完璧に思いつこうとしないことです。
むしろ
「ミニマルなゴール」→「ものすごく効果的な方法」
→「ブランク1」「ブランク2」「ブランク3」
→「大きな成果」
というように、空欄(ブランク)を含んだ構造を
先につくってしまうのです。
この構造が、完成すれば
間違いなく成果が出る
そう確信できる「型」さえ組み立ててしまえば
あとはそのブランクを埋めるだけです。
ブランクを埋めるべく
足りない情報を探したり、資料を集めたり。
必要なら手法を開発したり
わざわざ事例をつくったりします。
でも、それでも、一から基本から勉強したり
莫大な資料を集めて、読みこむより
圧倒的に効率がいいです。
しかも、構造から成果がでることがわかっています。
つまり、「成果が出る構造」が明確になっていれば
それを完成させるための学習や準備で済むため
膨大な情報を抱え込む必要がなくなるのです。
だから、自然と持ち物も減り
カバンが軽くなるというわけです。
仕事がうまくいかない人は、
「自分に今できること」
「今想像できる範囲」
から積み上げていく傾向があります。
すると、成果のスケールが小さくなり
期待に届かないまま終わってしまうことが多くなります。
その結果、「もっとできるようにならなきゃ」と思い
また勉強したり資料を漁ったりしてしまう。
こうして時間だけが過ぎ
またまた、カバンが膨らんでいゆくのです。
仕事の成果を上げたいのであれば
最初にやるべきことは「構造をつくる」ことです。
現時点で全部のステップが
思いつかなくても構いません。
むしろ、思いつかない部分はブランクのままにしておく。
いや、ブランクの無いプランや構造なんて
やる価値などありません。
なぜなら、その空欄を埋めることこそが
仕事の本質だからです。
多くの場合、そのブランクは
ゼロから発明しなくても
世の中にある仕組みや他人の成功例を
流用・改良することで、十分埋められます。
そうして構造を完成させれば
そもそも成果がでることはわかっているので
そりゃ、スムーズにでいますよね。
さて、あらためて
あなたのカバンを持ってみてください。
もし重く感じたら
それはきっと余計なものが
入っているせいだとおもいます。
必要なものは
必要なときに調達すればいいんです。
ぜひ、中身を見直してみてください。