スタコラ:2025-05-19

孫っちと爺じ

2025-05-19
大隈信夫

孫っち「 トランプ大統領の『相互関税』がって言ってるけど、どういうこと」
爺じ 「 アメリカのトランプ大統領が、日本や世界の国々から輸入する物に、これまで以上の税金をかけると発表したことだよ」
孫っち「 ふーん。どうしてそのことが大きな話題になっているの」
爺じ 「 もともと『関税』とは、どこの国でも、外国から輸入する物に税金をかけて、自分の国で生産するものとの競争力を弱くして、自国の産業を守るためのものだといわれている」
孫っち「 じゃあ、どこの国にも『関税』をとっているの?」
爺じ 「 そうだよ」
孫っち「 ふ~ん。じゃあ、トランプ大統領は、アメリカの産業を守るために『関税』を高くするといっているの?」
爺じ 「 そうだよ。例えば、日本から輸入する400万円の車に24%の『関税』をかけると496万円になり、販売競争でアメリカの車が有利になってアメリカの自動車産業が守られると言っている」
孫っち「 どういうこと」
爺じ 「 日本車に『関税』分の96万円を上乗せして販売するから、その分車の値段が高くなって、アメリカの車との販売競争に負けてしまう。そうすることによって自動車産業が守られるということだ、と言っているんだよ」
孫っち「 なるほど。その『関税』は日本の自動車会社が払うの?誰が払うの?」
爺じ 「 『関税』は、輸入したアメリカの企業が負担する仕組みだから、輸入したアメリカの企業や人が払うという仕組みなんだよ」
孫っち「 えっ?アメリカの企業がどこに払うの?」
爺じ 「 アメリカの国に払うんだよ。だから、国の財政がよくなるといっている」
孫っち「 なるほど」
爺じ 「 だけど、最終的には、アメリカ国民が負担することになる。物価が上がってインフレになり、さらに、アメリカだけでなく、それが世界中に広がり、大恐慌につながる可能性があるという人もいる」
孫っち「 そりゃあ、大変だね」
爺じ 「 とにかく、今回のトランプ大統領の『相互関税』は、これまでアメリカ自身が主導して世界に押しつけてきた貿易の国際ルールにも反した身勝手なものだと、国際的に大きな怒りが広がっているものだよ」
孫っち「 どうしたらいいの?」
爺じ 「 ちょっと難しくなるけど、世界の経済を主導しているといわれるアメリカや多国籍企業の言いなりでなく、それぞれの国の経済主権・食料主権を尊重し、認め合うような新たな貿易ルールの構築が求められている」
孫っち「 そう、うまくいくの?」
爺じ 「 難しいけど、トランプ大統領の提案は、各国から批判と反発で挫折し、その後の動きに期待するしかないのかもしれない」
孫っち「 そうなんだ」
爺じ 「 もう少し推移を見ながら期待したいものだね」

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